レスピーギ:バレエ組曲「シバの女王ベルキス」、変容(サイモン/PO)2008/11/16 02:04:53

以前、購入時にも書いたけど、吹奏楽界ではメジャーな「ベルキス」。
映画音楽顔負けのゴージャスでスペクタルな音の饗宴。
音楽的内容うんぬんよりも、溢れる音の洪水に身を委ねる心地よさ、気持ち良さ。
こんなオモロい曲、もう少しメジャーになってもいいのに。

サイモン盤、世界初録音は伊達じゃない。
楽曲への熱い共感。
それこそ「啓蒙」への並々ならぬ意欲。
「狂宴の踊り」での、思いをとめられぬアッチェルランド。
荒削りであることの、むしろ素晴らしさ。

吹奏族としては「ベルキス」に気持ちが高ぶるのはもちろんなんだけど、あえて一歩引いて語ると、実はこの盤の大きな価値は併録の「変容」の方にこそある。

こちらも世界初録音なんだけど、レスピーギならではの、手練のオーケストレーションが、マイナー曲という印象を吹き飛ばす。
どことなくヒンデミットさえ彷佛とさせる、絶妙な響きの中に展開される主題と変奏の妙技。
こちらの方が音楽的完成度は高いと思える。

……まあ、カッコつけて言ってるけど。
実際はド派手な「ベルキス」の方が好きさ!(それこそ、「松」や「噴水」より「祭」が好きなのと一緒だよ。笑)
誰かこのバレエ、全曲版録音しろ!

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