オーマンディのシベリウス。 ― 2008/11/21 00:55:38
*交響曲第1・2・5番、悲しきワルツ、トゥオネラの白鳥、フィンランディア
もちろんオケはフィラデルフィアで、レーベルはRCA。
メジャー曲ばかりの2枚組。
シベリウスというと、透明なサウンドこそ「正しい」みたいな風潮が昨今あるような気がするのだが、果たしてどうなんだろう。
もちろん、ベルグルンドのようにそちら側のアプローチで素晴らしい演奏を聴かせてくれるアーティストがいるのは事実で、だからこそ見えてくるシベリウス「らしさ」ていうのもあるんだろう。
ただ、作曲家自身がカラヤンやオーマンディのことを「自作の解釈者」として評価していたことを思うと、「寒色系の透明さ」だけで括るのもなぁ、という気も少しする。
まして初期の作品ならなおさらか。
このオーマンディの録音も、強引さやあくの強さこそないものの、実はテンポを大きく動かしたり、豊潤に(それこそ「温かく」)楽器を鳴らしてる。
もちろんそこに作為を感じさせないのが、さすがオーマンディというか、「シベリウスの枠」を超えない(=潰していない)解釈が、やはりこの作曲家には大事なのかなとも思ったりする。
交響曲の中では1番が一番良かったかな。
終楽章を過度にドラマティックに流れないようにまとめているのには感心する。
2番と5番も、もちろん好演。
ただ前者には強力な対抗馬が多いから。
セルの東京ライヴなんて、涙出るもん(というか、あれはオープニングのウェーバーからアンコールのラコッツィ行進曲まで全てを通して完璧なのだけど)。
5番は、上であんなこと書いときながらなんだけど、もう少し玲瓏な方が好みかな。(苦笑
終楽章のコーダを、「たっぷり」とか「ゴージャス」に聴かせる解釈はありだけど(というかそういう演奏の方が多いのか?)、あそこはむしろつつましく盛り上がることで、あの「しつこさ」(苦笑)が、実はそうでないということに気付くんだと思うので。
もちろんこのオーマンディの、耳に邪魔することなく鳴らしきった「暖色系」(笑)路線の解釈としては傾聴に値するし、満足度は高い。
「悲しきワルツ」はずいぶん速め。
あれ?という間に終わる。これはちょっと……。
対して「トゥオネラの白鳥」。
こちらはじっくりと歌い込まれた弦やイングリッシュホルン、そしてバスドラムが、「死の国」のイメージをほの暗く描いていて良い。
面白いのは「フィンランディア」。
演奏自体は、カラッと明るい感じで素直に仕上がってるんだけど、なんと合唱つき。
中間部と最後にでてくるんだけど、何だかそこだけ少し映画音楽みたいに聴こえてしまって、ちょっとこそばゆいというか小っ恥ずかしい。(苦笑
「1812年」は合唱付きでもそんなことないんだけどな。
……あ、あの曲は曲自体がスペクタルだからか?(苦笑
もちろんオケはフィラデルフィアで、レーベルはRCA。
メジャー曲ばかりの2枚組。
シベリウスというと、透明なサウンドこそ「正しい」みたいな風潮が昨今あるような気がするのだが、果たしてどうなんだろう。
もちろん、ベルグルンドのようにそちら側のアプローチで素晴らしい演奏を聴かせてくれるアーティストがいるのは事実で、だからこそ見えてくるシベリウス「らしさ」ていうのもあるんだろう。
ただ、作曲家自身がカラヤンやオーマンディのことを「自作の解釈者」として評価していたことを思うと、「寒色系の透明さ」だけで括るのもなぁ、という気も少しする。
まして初期の作品ならなおさらか。
このオーマンディの録音も、強引さやあくの強さこそないものの、実はテンポを大きく動かしたり、豊潤に(それこそ「温かく」)楽器を鳴らしてる。
もちろんそこに作為を感じさせないのが、さすがオーマンディというか、「シベリウスの枠」を超えない(=潰していない)解釈が、やはりこの作曲家には大事なのかなとも思ったりする。
交響曲の中では1番が一番良かったかな。
終楽章を過度にドラマティックに流れないようにまとめているのには感心する。
2番と5番も、もちろん好演。
ただ前者には強力な対抗馬が多いから。
セルの東京ライヴなんて、涙出るもん(というか、あれはオープニングのウェーバーからアンコールのラコッツィ行進曲まで全てを通して完璧なのだけど)。
5番は、上であんなこと書いときながらなんだけど、もう少し玲瓏な方が好みかな。(苦笑
終楽章のコーダを、「たっぷり」とか「ゴージャス」に聴かせる解釈はありだけど(というかそういう演奏の方が多いのか?)、あそこはむしろつつましく盛り上がることで、あの「しつこさ」(苦笑)が、実はそうでないということに気付くんだと思うので。
もちろんこのオーマンディの、耳に邪魔することなく鳴らしきった「暖色系」(笑)路線の解釈としては傾聴に値するし、満足度は高い。
「悲しきワルツ」はずいぶん速め。
あれ?という間に終わる。これはちょっと……。
対して「トゥオネラの白鳥」。
こちらはじっくりと歌い込まれた弦やイングリッシュホルン、そしてバスドラムが、「死の国」のイメージをほの暗く描いていて良い。
面白いのは「フィンランディア」。
演奏自体は、カラッと明るい感じで素直に仕上がってるんだけど、なんと合唱つき。
中間部と最後にでてくるんだけど、何だかそこだけ少し映画音楽みたいに聴こえてしまって、ちょっとこそばゆいというか小っ恥ずかしい。(苦笑
「1812年」は合唱付きでもそんなことないんだけどな。
……あ、あの曲は曲自体がスペクタルだからか?(苦笑
最近のコメント