第9三昧。2008/12/30 23:31:00

日本人の端くれとして、年末の第9モードというのが別に嫌いではない。
「こんなのは日本だけのモードだ」なんて目くじら立てて非難する人もいるけど、欧米諸国よりも「新年」へ向かう心構え(切り替え?)が清新な日本としては、この曲の持つテーゼがよりグッと来るのだから、それはそれで別に構わんじゃないかと思う。

とは言え、まあ例年なら年末に1枚か2枚聴く(or観る)程度なのだが、今年はブログ始めたこともあるし、個人的も色々と顧みたい1年だったので、

「 第 9 三 昧 」 を 実 行 し て い ま す 。

以前書いた、未消化のベートーヴェンの交響曲全集から優先。
この数日聴いたもの、メモ程度だけど感想を。


1:コンヴィチュニー/ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
インゲボルク・ヴェングロル(S) ウルズラ・ツォレンコップフ(A) ハンス=ヨアヒム・ロッチュ(T) テオ・アダム(Bs) ライプツィヒ放送合唱団

弦の刻みまで見えるほどクリアな録音。
無用な物々しさとは無縁のフレッシュさ。
かと言って卑小ではもちろんなく、ひたすらに自立し、発展していく(=ベートーヴェンには必須)音楽に、自然と圧倒されていく。
暑苦しい押し付けがましさは全くなく、かといって冷ややかな手触りでもなく。
むしろ仄かな温もりを感じる(特に管楽器)。
歌手陣もすっきりとした発声(特にテナー)で気持ちいい。
個人的見解だけど、この曲でオペラチックな発声する歌手は好かんのですよ。(苦笑

しかし今さらボクが語るまでもない名盤だけど、これほどまでとは……。
繰り返し聴きたくなる「第9」なんてそうはない。
他の曲にも期待高まるわー(&シューマンの全集にも)。


2:カラヤン/BPO(76年ザルツブルク音楽祭ライヴ Memories盤)
アンナ・トモワ=シントウ(S) アグネス・バルツァ(A) ぺーター・シュライヤー(T) ホセ・ファンダム(Br) ウィーン楽友協会合唱団

カラヤンテイスト満載、だけど猛進するのが爽快。
お約束の1楽章展開部終盤のTimp.のロール!(やっぱ2台?)
濃いわー。
2楽章中間部の意外な繊細さに感心。
そして終楽章の歓喜主題の加速する流麗さ!
悔しいけど(苦笑)聴いていて快楽を感じるのを認めざるを得ない。
ただ、この音盤、録音が悪いのが難。


あと2枚くらいは聴きたいところだけど、大晦日まであと1日。
「第9三昧 その2」間に合うのだろうか?(笑