千夜一夜、もっと(その2)。2009/02/06 15:25:59

アップロードしたと思っていたら下書きのままだった。(汗
それでは第2弾、コッテリ編。(笑

・ロストロポーヴィッチ/パリ管弦楽団
1楽章冒頭の気宇壮大な見栄切り!
シャリアール王の暴君っぷりを分かりやすく表出している。
まるで歌舞伎のような「間」も活きている。
シェヘラザードのテーマも同様。
ホントに音が「語って」いる。

2楽章のテンポ操作もいちいちツボ。
中間部のTb.ソロ、弾むような豪快さ……そして輝くTp.。
Cl.ソロ背後の弦ピッチカートの迫る感じ。

楽章間をたっぷり取る、その気の持たせ方が心憎い。
シャリアール王の待ちきれない気分が伝わるかのよう。

3楽章がサラサラ流れてしまうのがちょっともったいない。
4楽章主部の駆け抜ける感じが爽快。

・ストコフスキー/LSO
とにかくグイグイと太い筆致で進めていく剛毅さ。
そしてその中に、これでもかと盛り込まれる「芸」。
その「芸」に気持ちと命をこめている真摯さ。

いちいち挙げるときりがないけど……、

1楽章、冒頭のvn.ソロのオクターブ上げ。
海原の場面、後半のシンバルの一撃。

2楽章のシロホン。
もうこれに慣れると他のが薄いオーケストレーションに聞こえてしまうという、恐ろしいまでの中毒性!!(爆笑

3・4楽章のスネアの響線オフによる乾いた響き。

4楽章冒頭の低弦E(2回目)の強奏!
これは間違いなく、曲想を真の意味でえぐり出している。
他の演奏がどうしてこうしないのか、疑問さえ感じる。
そして後半はドラ鳴りまくり!
更にスネアのてんこ盛りの付加。
難破のラストに付加された、哀しく響くTp.のミュートの一撃……。

でもこの音盤で一番素晴らしいのは、3楽章の艶やかに色気滴る弦。
とろけるポルタメントと弱音無視。
深ーい呼吸と長ーいフレージング。
そして名残惜しげな最後のリタルランド。
ホントのセクシーって、こういうこと。

レニー盤については「その3」で(まだ続くのか!)。

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