オーマンディの白鳥の湖。2009/03/07 19:20:20

オーマンディとPhOの「白鳥の湖」抜粋を久々に聴く。
RCA盤も持っているのだけど、今回はSONY盤。

収録曲はほとんど一緒。
RCA盤には「ナポリの踊り」があるのが一番大きな違い。
あと強いて言えば、SONY盤の方がややテンポ速めでエッジの立った感じで、RCA盤の方が芳醇というかまろやか。
これはレーベルの録音づくりの差異に起因するところも大きいかもしれないけど。

完全に好みだけで言えば、SONY盤の方をわずかながら上位に置きたい。
「ナポリの踊り」がないのは確かに残念だけど、上記した「エッジ感」が特にこの曲(3大バレエの中では)にフィットしているので。
特に「終幕の情景」にそれが顕著。
この曲、大好きなんだよなぁ。
ベタと言われようとも、Tp.が長調で「白鳥の主題」を吹き鳴らす瞬間には、いつも心がジンジンしてしまう……(RCA盤は、ここでちょっとオチちゃってるのが残念! もちろん些細な傷だし、むしろ録り直していないことこそ素晴らしいけど。その意味でもSONY盤の劇性は最高!)。

ていうか、実はこれだけ共に素晴らしい録音&演奏を、ほんの少しの聴き手(=自分)のその時の気分や指向の差で選べるということこそ、この上もない贅沢だよな……。

どちらの盤もオーマンディらしいグランドマナーで、オケをたっぷりと鳴らして、「バレエ」というより、ひと続きの「交響組曲」でもあるような音楽作りになっているのが特徴。
それは「眠りの森の美女」なんかでもそうなんだけど、「白鳥」では、さらにその音楽作りがマッチしていて、もっと煽ったりどぎつくする人も多い「各国の踊り」でさえもじっくりと腰を据える。
そして逆に、「第1幕の情景」や「終幕の情景」のような曲ではキビキビと「ドラマ」をくっきりと描いてくれるのが心地よい。

しかし、この「抜粋」て、昨今(特にこのCD時代では)流行りではないのかもしれないけれど、オペラや声楽曲はともかく、バレエに関してはもっとあってもいいんじゃないかなぁと思う。
組曲じゃ物足りない、全曲じゃ重い(&ちょっと退屈)というリスナーは潜在的に少なくないと思うんだけどな。
それに、その「選ぶ」過程に、そのアーティストのセンスみたいなものが問われる点も見どころ(聴きどころ?)だし。
チャイコフスキーの3大バレエはもちろん。プロコフィエフの「ロメジュリ」、ハチャトリアンの「ガイーヌ」、ドリーブの「コッペリア」……。
逆にCD時代だからこそ、ちょうど70分くらいでエッセンスをうまく入れることってできるんじゃないかなぁ。

追記。
オーマンディの3大バレエ「抜粋」は「くるみ割り人形」だけまだ持ってない。
Tp.が美しく奏でる「雪のワルツ」や最後の弦をオクターブ上げる「花のワルツ」……と、レビューや紹介を読むと、もうチャイコフスキー好きには垂涎ものなんですけど。(苦笑
まあゆっくり、でも確実に捕獲するとするか。