レニーの「ポーランド」。2009/03/17 00:46:42

何となく(笑)先日から続いている、レニーのチャイコフスキー交響曲全集聴き直し企画。
今日は第3番。
先日の2番に続き、またまた「おいおい、こんなに名演だったか?」の再発見の連続。
買い直しの“Colombia Legends”の録音がロイヤルエディションよりいいからよけいにそう思うのか?(謎。

1楽章のムンムンとほとばしる熱気。
「小ロシア」同様快速だけど、あそこまでぶっ飛ばし(笑)はしない。
第2主題できちんと(笑)テンポ落とす辺りも、いい意味で分かりやすい。
楽しい中にも音を割った金管がメリハリを付けていて引き締まる。

2楽章はすごくニュアンス豊か。
速めのテンポだけど濃厚な潤い十分。
最後の木管による「オチ」もユーモア満点。
3楽章は深々とした、息の長いフレージングでじっくりと聴かせる。
最後の管楽器の呼び交しには、ちょっぴり寂しい味さえも。
4楽章のスケルツォは入念な仕上げが光って飽きさせない。

終楽章は構えが大きく、たっぷりと楽器を鳴らすことで、押し付けがましくない力感が自然とにじみ出る。
カノンの部分もせかせかすることなく「大人な」感じ。
でもコーダの部分で少し「まくる」のが、やっぱレニー!って感じで嬉しくなる。

しかしこの3番って、チャイコフスキーの交響曲では、ある意味一番難しいのでは、といつも思う。
5楽章という形式もさておき、メロディーがてんこ盛りに溢れかえる一種の「散漫さ」をどうやってそう感じさせないか。
「交通整理」してしまうのも一つの手だけれど、その「溢れかえる」感じをそのまま飽きさせない形でひたすら見せていくのもアリだと思う。
レニーの演奏は後者のタイプかな。
あと、この曲はすごく管楽器が大活躍するんだけど、この音盤はその点でもNYPの名手たちが活き活きと演奏している感じが手に取るように伝わってきて嬉しい。

でもこの曲って、そういった演奏の難しさと共に、まるでおもちゃ箱かお菓子の詰め合わせのように、とにかく愉しい楽曲でもある(長調で始まる唯一の交響曲だから、てこともある?)。
一聴しただけでは(そして退屈な演奏では)そのキラキラした魅力が分かりにくい、というのもまた不思議で面白い。

レニーの演奏はその魅力を100%引き出してる。
この曲苦手な人に、1楽章だけでも聴かせてあげたい。
そしたら絶対その魅力に気付くはず。
とにかくホントいい曲なんだから。(チャイコ&レニーびいき全開。