おなじみのアンケート。2009/07/10 01:34:51

もはやこのブログでも恒例?
おなじみのクラシックバーからのアンケートがまた来ました。
今度は選択肢が多い!


皆様がお好きな芸術家

1 作曲家
2 指揮者
3 ピアニスト
4 バイオリニスト
5 オーケストラ
6 思い入れの名盤一枚

1~4はそれぞれ3人、5のオーケストラは3団体、6は感想を添えてご応募下さいませ。


だって。
これは悩ましいな。(汗

通勤ミュージック~0907252009/07/25 20:28:09

*チャイコフスキー:大序曲「1812年」、イタリア奇想曲、幻想序曲「ロメオとジュリエット」、スラヴ行進曲、歌劇「エフゲニ・オネーギン」からワルツ&ポロネーズ(ドラティ/ミネアポリス交響楽団ほか、LSO)

いやー、ええもん聴かせてもらいました。
もうこのいわゆる「チャイコ幕の内セット」(勝手に命名)はいろんな盤で聴いてるわけですが、その中でも屈指ですね。
録音・演奏ともに上位! 昔から人気なのが分かる気がする。

まずはマーキュリーの看板、1812年。
つとに話題の大砲の音のすごさはもちろんだけど、むしろ鐘の方がすごいんじゃない?。
一歩間違えるとただの乱痴気騒ぎなのに、そのギリギリで踏みとどまって、むしろ強い信念を感じさせる音楽づくり。
これはドラティの音楽づくりもそうだけど、録音エンジニアやプロデューサーも一丸とならなきゃできない。
楽器がしっかりと分離し、くっきりとした輪郭の見える録音。
確かに潤いや残響は少ないかもしれないけど、この曲ならそのザクザク感がむしろ心地よい。

それを助長するかなり速めのキビキビしたテンポ。
この前振りあってこそ、最後の盛り上がりが生きる。
コーダ前の盛り上がりでも同様で、一瞬「あれ?」と感じるくらいあっさり目のテンポなんだけど、それを薄味に感じさせないのがさすがの剛腕。

イタリア奇想曲。
これも弦のピチカートや刻みのクレッシェンド、ディクレッシェンドの明確さに震える。
管はもう少し自己主張を期待したいけど、何といってもすごいのはタンバリン。
何という音の粒立ち!
そして最後の盛り上げとティンパニのロール!
これらを完璧に拾っている録音もまた、演奏とともに愛でるべき対象。

ロメジュリ。
ドラマ性より音楽の骨格を重視するつくり。
主部への入りの快速さや、管と弦の追っかけ合いのクリアさにそれが透けて見える。
当然、「愛の主題」もトロトロでなくすっきり。
それを物足りないと感じる向きもあるだろうけど、そういったタイプは他にもあるんだし(レニー!)。
そして、その「愛の主題」が最後で再現される際も、そのすっきりさと快速が押しつけがましくない盛り上げを自然に作る。

スラヴ行進曲。
遅めのテンポで入念に進める。これまた各声部が明確に分離しているのがとにかくすごい。
とはいえ、もちろん骨格分析みたいな演奏ではもちろんなく、その「見える」声部がきちんと結合している。
自分が棒振ったことあるからスコアが分かっているのに、それでさえ「おおっこんな音が!」という驚きが随所にあった。
丁寧な仕上げの結果、最後の長調の健やかさが生きている。
そして期待通りのドラの鳴り!!
最後の豪快なドラムロールには男気感じまくりだぁ。

オネーギンからの2曲は……ちょっとこれまでの曲よりは難ありだけど、ユニーク。
ワルツは超快速で、粗っぽいくらい。
フレージングが短距離で、ちょっとびっくり。
この曲はまあ、もう少しエレガントな演奏の方がいいかな。(苦笑

ポロネーズもゴージャス感よりもリズムのノリで突っ走る。
このオペラの舞台である貴族社会よりも土俗性を感じる。(爆
付加されたスネアがやたらに目立つのが愉快。
アンサンブルにやや難があってもイケイケドンドン。
うーん不思議な演奏だ。