ピアノの国のアリス。2010/02/04 20:13:48

実は最近、アリス=紗良・オットに夢中。(照
前々から、ルックス(爆)が可愛いのは承知していたが、演奏は全く聴いたことなかった。

ところが先日、いつものクラシックバーに行った際、いくつか彼女の映像を拝見。
特に「情熱大陸」で見せる、天然キャラにやられまくる。(失笑

いや、演奏だってもちろん良かったのよ。(必死
特にショパンのワルツ(BSか何かの映像で見た)。
個人的には、フランソワのようなテンペラメント溢れる演奏が好みだけど、彼女のように真摯に楽曲の美しさに沿っていこうとする姿勢も、聴いていて非常に清々しい。
ハッと目を開かされるような新鮮さに満ちている。
これは音盤買わねばだな……。

しかし何より一番嬉しいのは、「現在」を生きるアーティストで推したくなる人が出来たと言うこと。
自分自身、「巨匠」的な人にばかり耳を傾けてしまう傾向があるのは自覚していたし、それだけでは良くない、と言うことも心のどこかにはあったので。

何かルックスに惹かれただけじゃないのよ、ていう必死の言い訳みたいだな。(苦笑
もちろん可愛いのも大きな理由ではあるのだけど。(どないやねん。

その後新たに見た、ベートーヴェンのソナタ弾いてる演奏会の映像もまた良かった。
ワルトシュタインと熱情だったけど、真摯に楽曲に挑もうとするひたむきさがキラキラと輝く。

完全に楽曲をものにしている、と言う感じではないのだけど、それは当たり前のこと。
その挑戦の途上を共体験できる事に、また感動。

そしてアンコールのラ・カンパネラ。
バリバリと弾きまくるのではなく、この上もなく優雅。

……ってベタ惚れやな。(苦笑

追記。
え? カテゴリが出来てる?
うわーなんでだろう。(失笑

狩猟日記~1002202010/02/21 22:40:11

14日から出張で東京に来てる。
ていうか、実は春から東京へ異動です。
関東の皆さま、よろしくお願いします。

そして先日の休み、お茶の水のディスクユニオンクラシック館に。
……恐ろしい体験をした。
大阪だっていっぱい安い中古屋知ってる。
でもさすが東京。
在庫数が違う。
そしてバーゲン品の安さが半端ない!

気づくと山盛り。
これでもだいぶ減らした。
それでも新譜数枚分の値段って!!
嗚呼春からがホントに怖い。(汗

・ブラームス:交響曲全集(ケンペ/BPO)
・ハイドン:ロンドン・セットほか(ヨッフム/LPOほか)
・ヤナーチェク:シンフォニエッタ、タラス・ブーリバ(ノイマン/チェコフィル)
・マーラー:交響曲第3番(クーベリック/BRSO)
・メンデルスゾーン&チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲(エッシェンバッハ/チューリヒ・トーンハレo、前橋汀子)
・同上(小澤/BSO、スターン メータ/IPO、ズーカーマン)
・オルフ:カルミナ・ブラーナ(ケーゲル/ライプチヒ放送soほか)
・同上&カトゥリ・カルミナ(オーマンディ/Pho.ほか)
・プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」(エレーデ/サンタ・チェチーリア国立アカデミーo、ボルク、テバルディ、デル・モナコほか)
・R.コルサコフ:交響組曲「シェヘラザード」(チェリビダッケ/ミュンヘンフィル)
・サン=サーンス:交響曲全集(マルティノン/フランス国立o、ガボティ)
・シューベルト:交響曲全集(ベーム/BPO)
・シューマン:交響曲全集(ムーティ/VPO)
・チャイコフスキー&シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(マリナー/アカデミー室内o、ジョセフォウィッツ)
・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲&交響曲第4番(クーベリック/BRSO、ズーカーマン)
・チャイコフスキー:交響曲第5番・弦楽セレナード(アルベルト/セント・ソリo、ドゥアット/ルクセンブルク放送so)
・ワーグナー:管弦楽曲集(マタチッチ/N響)

チェリのシェヘラザードを発掘できたのはすごく嬉しい。
あのMETEOR盤だよ!!

そのほかスコアや本を数点、あとレニーのDVD。
・リスト:ファウスト交響曲(バーンスタイン/BSOほか)
・ヴェルディ:レクイエム(バーンスタイン/LSO、アーロヨ、ドミンゴほか)

とりあえず持って帰ってもすぐ梱包なので(爆笑)、東京の会社のロッカーに置いておいてもいいか交渉する予定。

通勤ミュージック~1002282010/02/28 14:12:50

*ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」・「レオノーレ」序曲第3番、歌劇「フィデリオ」序曲、序曲「コリオラン」(コンヴィチュニー/ライプチヒ・ゲヴァントハウスo.)

何度かここでも書いているけど、「田園」って難しい曲だなぁといつも感じる。
普通に演奏するだけじゃ平板(単調?)になるし、手練手管を施しすぎたらいびつになってこの曲の良さをぶち壊すし。

どんな曲だってそうだ、と言われればそうなんだけど、真水のようなピュアさ、が神髄(だと思う)のこの曲においてはそれが顕著。

そして、さすがのコンヴィチュニーも、これまでの5曲のように新鮮な驚きをもった「田園」像を見せるには至っていないと正直思う。
しかし、やっぱりそれでもこれまで同様、あくまで真摯に楽曲に対峙する姿勢が、くっきりとこの曲の「あるがまま」のフォルムを描いている。
各楽章の表題性からは若干遠いスタイルだと感じるけど、むしろその方が向いてるのかも。

木管楽器のいささかひなびた感じが印象的な1楽章。
流麗ではないかもしれないが、かといって無骨なわけでもないバランス感。
2楽章は小川のゆったりおっとりとした流れが心地よい。
そしてやっぱりひなびた鳥たちの呼び交わし。
3楽章の踊りや4楽章の嵐にはもう少し遊びというか演出があってもいいなぁと感じるけど、まあ筋違いのお願いか。

終楽章では逆にその「演出のなさ」が、どこまでも誠実な“祈り”の音楽を紡ぐ。
立体的なホルンの響きに、自然に耳をそばだてさせられる。
最後の締めもホルンが素晴らしく、ゲシュトップの音色が天恵のように響く。
そしてコンヴィチュニーにしては意外なほどに大きな呼吸を伴ったリタルダンドで幕を引く。

フィルアップは序曲3つ。
「レオノーレ」3番って、“いかにもベートーヴェン”のエキスがギュッと凝縮されているので、聴く度に「小さな交響曲」だなぁと感じるし、どちらかと言えばそういう解釈の方が好き(例えばフルトヴェングラーは何度聴いても心震える)。
とは言え、コンヴィチュニーのような“自然体”だって傾聴できる。
オペラの中の一場面(まさに終幕前に挿入されるあの演出)というより、一つの演奏会用序曲のように。
手に汗握りはしないけど、じんと胸を満たす感じ。

しかし、むしろ強い印象を残すのは「フィデリオ」。
こちらは一転、それこそ“幕開け”にふさわしい覇気に満ちた演奏。
目を見張るような前進性。
冒頭主題が繰り返されるたびに自然と加速するその呼吸感。

「コリオラン」は質実剛健。
良い意味で生真面目さが曲想に合致している。