アリスたんソロ。2011/01/13 17:28:30

1月12日
東京オペラシティ。

メンデルスゾーン:厳格な変奏曲ニ短調Op.54nor Op.54
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番ハ長調 “ワルトシュタイン” Op.53
ショパン:
3つのワルツ“華麗なる円舞曲” Op.34
ワルツ第6番 変ニ長調 “小犬” Op.64-1
ワルツ第7番 嬰ハ短調 Op.64-2
スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31

アンコール
ショパン:ノクターン20番イ短調
リスト:ラカンパネラ
ベートーヴェン:エリーゼのために

前夜に痛飲したので、予習のための音盤聴く余裕無し(苦笑)。
まあ、真っ白な状態で行くのもエエか、てことでオペラシティ向かった。

今日もサイン会あり。
プログラム、500円ナリ(笑)。
写真的には見たことあるアー写ばっかやけど、キレイだからイイ!

前半。本日も赤いお召し物。
メンデルスゾーンは立ち上がり手探り気味だったけど、4、5変奏辺りから着火。
激しい変奏はグイグイ行く感じで圧巻。

ワルトシュタイン、1楽章は驀進より不安げな肌触り。
連打音の焦燥感。
若干生硬さはある。それも若さか。
3楽章は良かった。
アルペジオの飛翔感。
煌めく、羽ばたく、歌。

後半はショパン。
3つのワルツの描き分け。
自在なルバート、コケティッシュな微笑み。
短調は一転、艶めく色気さえ滲む。セクシー。

「子犬」が鳥肌モン。
気品漂わせて始めながら、キュートだったり、小悪魔チックだったり。
この短さで。げに恐ろしきは女子ナリ(笑)。

スケルツォでメイン?と思ったのは事実。
イイ意味で裏切られた。
また、序盤手探りなのに、突然スイッチが入る。
中盤から煽る煽る。
ギシギシ踏むペダルの音。
燃え盛るミューズ。

トリプルアンコール。
再びのノクターン。
また刹那の涙。

カンパネラ、ミスタッチもあったけど、そんなことどーでもいい。
ぐっとテンポ落とした中間、また着火。嵐の如く。

ラストはエリーゼ。
あの儚さ、また聴けた。

やっぱショパン合ってるなぁ。
ソナタやコンチェルト聴きたい。

同時代にこれだけファンタジー溢れるショパンが聴けること。
神さまありがとう。
アリスたん、ガンガン推すよー(笑)!

今年の第9三昧。2010/12/31 14:37:31

今年の「第9三昧」は5音盤、まとめていくよー。

*カラヤン/BPO、ヤノヴィッツ(ソプラノ)、ヴァーグナー(コントラルト)、アルヴァ(テノール)、ヴィーナー(バリトン)、聖ヘドヴィヒ教会合唱団、RIAS室内合唱団

カラヤンは「IM TAKT DER ZEIT」シリーズの一枚。
1964年10月15日新フィルハーモニーホールこけら落としのライヴ。

1楽章は有りがちな「神秘性」をかなぐり捨て、疾風怒濤に突き進む、さすが60年代カラヤン。
2楽章はトリオが意外にゆっくりでハッとさせられる。
3楽章は想像通り(良い意味で)真水のように流れる。思索や瞑想と言った“おまけ”を切り捨てた潔さ。
うわ!終楽章冒頭のテンション高っ!
そして歓喜主題の前、パウゼ置かない、カラヤンスタイル。
昔は好きじゃなかったのに、今は「これカッコ良くね?」て思える。
そしてヤノヴィッツの美し過ぎる声。一番好きなソプラノですもん!
だからスタジオ盤も60年代のが一番好き。
ラストのクレッシェンド、爽快。

*バーンスタイン/BSO、マイヤー(S)、シモン(A)、ワイルダー(T)、バーバリアン(B)、タングルウッド音楽祭cho.

1972年の青盤。
2年前にもBSOとの青盤あるけど、かなり別物。
異様にハイテンション!(驚)
特に2楽章が怖いくらいの焦燥感。

*バーンスタイン/チェコフィル、ポップ(S)、トレチャル・ブルチャード(Ms)、オフマン(T)、コプチャーク(Bs)、チェコ・フィルハーモニーcho

有名なレニー最晩年、ベルリン壁崩壊の翌年の第9。
上記BSO盤とは(当たり前だけど)全然違う、最晩年の重み、深み。
でも2楽章の焦燥感に、共に通じる何かを感じるのも事実。不思議。
青盤らしいと言えばそうなんだけど、3楽章前のチューニングとソリスト入場も録音されてるのが、ちょっと笑える。

この第9、ソリスト陣の声質&歌唱が好みのタイプ。
というか、演奏全体のテンションも立派(レニーは相当体調悪かったはずなのに)。
「壁」の第9超えてる箇所もいくつかあるように感じる。
できれば正規音源で聴きたいなぁ……。

*ベーム&VPO、ジョーンズ(S)、トロヤノス(A)、トーマス(T)、リッダーブッシュ(B)、ウィーン国立歌劇場合唱団

何となく聴きたくなって、久しぶりに聴く。
3楽章。疲れた体と揺れる地下鉄にはつらい。眠り誘う。
第9、とりわけ終楽章を聴いてると「より高いものを求めて努力する」事の偉大さに、時折息苦しくさえなる。
翻って、己はどうかと。
易きに流れてばかりではないかと。情けない。

そしてホンマ数年ぶりにフルトヴェングラー&バイロイトの第9。
音は良くなくとも、やはり流れる空気は別格。
そう言えば、オルフェオの録音の方は音良いのかな。
終楽章の、低弦による前3楽章の否定から昇華を経て、まさに「生成」する歓喜主題が、めくるめく加速をする。ここはやっぱフルトヴェングラーが一番。

ライヴのカラヤンはガチ。2010/10/02 04:31:59

珍しく購入早々に音盤聴いた。
カラヤンのPalexa盤。

ベト7、特に終楽章、これはホンマすごいわ……。
もう1楽章からずっと金縛り。
脇目もふらずに突き進む圧倒的なパワーのBPOに、聴いてるこちらが薙ぎ倒されてる。

もう何書いてるか自分でもワケ分からん。

ハルサイもすごい。
マッシヴな管、ゴリゴリの弦、びりびり来る打楽器。

やっぱライヴのカラヤンはガ(rya

1+235本のトランペット。2010/09/07 03:34:26

久しぶりにコンサートを聴きに行った。
後輩が出演しているので。
サントリーホールも何年ぶりだろう。

なんと最大236本ものトランペットが鳴り響くというチャリティーコンサート。
詳しくはこちら。↓
http://www.aarjapan.gr.jp/activity/report/2010/0906_397.html

*のついている曲が全員演奏で、あとはプロの演奏なのだけど、さすがに全員演奏は圧巻。
ものすごい音圧で、終演後はお腹空いたもん。(笑。
最初こそ、やっぱり「ズレ」みたいなものを感じたのだけど、曲を重ねるにつれて息が合っていくからすごい。
どんなモンでも「やりきる」事ってすごいよね、て感じさせられるプログラムでした。

なお、2部のオルガン即興演奏は童謡「赤とんぼ」をモティーフにしたもの。
これがもう感動したのなんのって……。
主題の発展、変容、展開。
やはり音楽の根っこは「インプロビゼーション」にあるのだ、ということをまざまざと見せ付けられた。


おまけ。
秋篠宮ご夫妻臨席に驚く。


リック・オービエ(トランペット)
ティエリー・エスケッシュ(オルガン)
菅原 淳(ティンパニ)

【プログラム】
モンテヴェルディ:歌劇「オルフェオ」よりファンファーレ*
ブラント:コンサートピース第2番
シャルパンティエ:テ・デウムより「プレリュード」*
クラーク:トランペット・ヴォランタリー*
ムレ:交響的ファンファーレ*
パジーニ:カンタービレ
シューベルト:ワインと愛 
エスケッシュ:舞踏的幻想曲
ベーメ:協奏曲へ短調より第1楽章

エスケッシュ:トランペット・ストーリー
松下功:「祈りのファンファーレ」           
ビゼー:アニュス・デイ
オルガン即興演奏               
エスケッシュ:クリスマス・メドレー
ヴェルディ:歌劇「アイーダ」より凱旋行進曲*
ベートーヴェン:交響曲第9番より「歓喜の歌*
ヘンデル:メサイヤより「ハレルヤ」*
ヴァンベスレール:ベスト・オブ・フランス*

マイナー曲で、何を魅せるのか。2010/05/30 02:34:33

*ベートーヴェン:ピアノ・ヴァイオリン・チェロのための三重協奏曲、合唱幻想曲(ケーゲル/ドレスデン・フィル、レーゼル(P)、フンケ(Vn) 、ティム(Vc)、ライプツィヒ放送合唱団ほか)

トリプルコンチェルトと言えばやっぱりカラヤン盤なのだけど、それほど頻繁に聴くわけじゃない。
そしてこのケーゲルの音盤を聴いてまず思ったのは、「カラヤンの演奏ってどうだったっけ?」てこと。

ホントに「良い」演奏とはそういうものなのかもしれない。
他への広がり、関心や興味を喚起する。

曲へのストレートな共感を感じる。
気持ちよいほどまっすぐな表出。
この曲が持っている、サロン的な「軽さ」を楽しむ。

1楽章の掛け合いの妙。
2楽章のピュアな空気。
3楽章の愉悦。

これもケーゲル、あれもケーゲル。
奥が深い。

合唱幻想曲も同じ。
朗らかで笑顔なケーゲルがいる。

あまり「異形」の面ばかり強調してはいけないのだろうな。