やっぱりすごいマタチッチ。2010/03/14 15:34:57

*ワーグナー:楽劇「神々のたそがれ」組曲(マタチッチ/チェコpo.)、楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲、歌劇「さまよえるオランダ人」序曲、楽劇「トリスタンとイゾルデ」 第1幕への前奏曲(以上、コンヴィチュニー/チェコpo.)

確かこの音盤、最初にリリースされた時はマタチッチの演奏だけだったはず。
CD1枚に30分弱だから贅沢だよな。(もったいない??
その後、コンヴィチュニーの演奏をフィルアップで入れて再リリース。

マタチッチは、N響のライヴ盤(Altus)があまりに圧倒的だったので、正直セッション録音の当盤にはあまり期待していなかった。
あの熱気、大河のような揺らぎ、「うた」……スタジオでは達成できないと思うので。

しかし、いい意味でその不安は裏切られた。
もちろんテンションや熱気はライヴ盤のほうが上。
しかしセッション録音は、香気というか艶やかさで優る。

それはチェコフィルの力かもしれないけど、特に木管のうっとりするような響き。
「ラインの旅」の冒頭で繰り返し奏される愛のテーマ。
cl.の旋回音形が、幸せな空気を醸し出す。
……これが2人(ブリュンヒルデ&ジークフリート)の最後の別れなのだとしても。(だからこそ??

「熱気はライヴ盤が上」とは書いたけど、当音盤だって十分に熱い。
セッションながら、ブラスが落ち気味なのに録り直しをしていないことからもそれが分かる。
さらにぶっちゃけ、オケの基礎体力、というか底力は明らかにN響より上だから、その意味でもじっくりと腰の据わった音楽が聴ける。
ただ残念なのはAltus盤にあった「ジークフリートの死」がないこと。

フィルアップのコンヴィチュニーは、マタチッチと比べると正直物足りない。
「マイスタージンガー」の集結部や「オランダ人」の中間部で見せる見栄切りなどに、「いかにも」なコクを感じさせる一面もあるのだけど、全体的に生真面目すぎな印象が強い。
やっぱワーグナーは“清濁併せ呑む”豪快さが欲しい、と思う。

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