2021年2月の #ミチョランマ 消化2021/03/24 23:19:00

今年はミチョランマ消化を積極的に進めているから、翌月にまとめて聴いたやつをこうやって書くことにした。
これをきちんと守れたら、まあ今年は年間で10回は更新できるよね!
(捕らぬ狸の皮算用)

*1・2枚目
リスト:ピアノ作品集
ホルヘ・ボレット

「ラ・カンパネラ」が遅めの深々としたスタイルで好感。
ヴィルトゥオーソ的にゴリゴリやるのも、それはそれでいいんだけど、個人的にはあまり好きじゃあない。
鱒も楽しい演奏だった。
ソナタはまあまあというか、良くも悪くも「中庸」かな……。
やっぱりこの曲は難しい。
アルゲリッチの燃え上がるような演奏が好き。
あと手元にはないけど、ホロヴィッツの若き日のEMI盤が凄まじかった。
いつか入手するかな←

*3枚目
ブリテン:序奏とブルレスク風ロンド、マズルカ・エレジアカ
ストラヴィンスキー:2台のピアノのための協奏曲
バルトーク:2台のピアノとパーカッションのためのソナタ
スヴャトスラフ・リヒテル、ワシーリー・ロバノフ
ワレーリー・バルコフ、ワレンチン・スネギリョフ

何で買ったか全く記憶にない音盤(苦笑)。
好きな曲が一つもない……というか、多分全部「マイ初演」だと思う。

*4・5枚目
ラフマニノフ:24の前奏曲、ピアノソナタ第2番変ロ短調
ウラディミール・アシュケナージ

「好きな作曲家、とか言うてるのに聴いてない曲結構あるやん、を聴こう」企画(長い)。
ジャンルとして声楽・オペラ・室内楽が弱いのは自覚しているけど、独奏モノはそうでもないはずなんだけど……。
ラフマニノフの前奏曲は、はるか昔にト短調(「鐘」の次に有名なやつ)を弾いた事があるけど、今のスキルじゃあ無理だな……(苦笑)。
ソナタは「マイ初演」。
アシュケナージのラフマニノフは、変に捻ったところがなくて個人的には良いと思う。

*6・7枚目
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲全集、弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」(弦楽合奏版)
ガブリエリ弦楽四重奏団
マリナー/アカデミー室内管弦楽団

これも「好きな作曲家、とか言うてるのに聴いてない曲結構あるやん、を聴こう」企画(だから長いって)。
カルテット、恥ずかしながら1番しか聴いた事ないので。
瑞々しさは1番が一番(分かりにくいw)かもだけど……2番も3番も良い曲!
特に2番のがっしりした作りは良いなぁ。
何というか、「室内楽」ぽくはないのだけど。
チャイコフスキーはオペラ全然押さえてないのでいずれ挑まねばなんだよな……。
「スペードの女王」くらいは聴かないとダメだろうな。
あと実はPコンの2・3番も聴いていない。
音盤は持っているのだけど(汗)。

通勤ミュージック~0903242009/03/25 01:39:16

(下書きで書いたまま、その後の忙しさに取り紛れて日記が眠っていました。失敬)

*ワーグナー:ニュルンベルクのマイスタージンガー前奏曲 バルトーク:管弦楽のための協奏曲 ドヴォルザーク:スラブ舞曲op.72より第2番 第7番(クーベリック/BRSO)

以前、「狩猟日記」で

>オケコンはAltus盤。
>この曲恥ずかしながらレニーしか持ってないこともあり。(汗
>クーベリックのライヴなら間違いなし、と思って。
>いずれ書こうと思ってるけど、バルトークって「食わず嫌い」作曲家の代表格なのよ……。

と書いた盤。
もう、想像以上に「間違いなし」だった!
やっぱAltus、そしてクーベリックのライヴは最強!

でもまずは曲順に従って。(なぜ焦らす。苦笑
「マイスタージンガー」、かなり速めのスピード。
重厚に踏ん張って演奏する事が多いこの曲が、実は「喜劇」なんだという当たり前の事実に気付かされる。
朗らかな「軽み」(「軽さ」とは違う)をたたえながら、熱を帯びたまま進んでいく。
あふれる生命力への賛歌。
最後に冒頭主題が帰ってくるとき、この速さにもかかわらず、堂々とした風格が漂うのに圧倒される。

テンション上がったまま、「オケコン」へ。
ボクがどこかバルトークに苦手さを感じている、あの「ギクシャク」した感じ(それこそが「語法」なのだけど)を和やかにすることはせず、むしろ前面に押し出してくる(1楽章に顕著)。
しかし、例えば1楽章のカノンに見られるように、その「ギクシャク」の中に、押さえようもない熱気が充溢していて、否が応でも興奮してしまう(それってバルトークに必要なのかな?という問いはさておき)。

普段は苦手意識から、退屈に感じてしまう(て言ってもレニー盤しか持ってないくせに。苦笑)、2・3楽章も心からの歌を感じさせ(特に後者)、なぜこの美しさに注意を払ってこなかったのかと自分を恥じる。

4楽章の「中断された間奏曲」も、その“中断”っぷりにようやくこの盤で瞠目した。
「レニングラード」、そして「メリー・ウィドウ」がはっきりと背景に見える。

そしてもうただ唖然とするのは終楽章。
意外に控えめに鳴らされる冒頭のHr.に「あれ?」と思う間もなく、最後の音と重なるTp.が威圧的に響くことで高まる緊張感!
その後の弦による刻み(これまた「ジグザグ」)の、肌に粟立つような切迫感!
元々この楽章は比較的好きと言うことを差し置いても、熱気の奔流にもうクラクラ。
最後まで一気に駆け上り、圧倒的な力でねじ伏せられるた感じ。

……バルトークさん、ごめんなさい。
……も少しこの曲揃えます。(完敗。

スラヴ舞曲2曲がまた逸品。
いつも思うのだけど、このAltus盤ってアンコールまで気を抜けない……というか、アンコールこそ短い時間の中に全てが凝縮されている気がする。

同じコンビによるDGの全曲集も、スタジオ録音ながら名盤だけど、この2曲に関して言えば別次元。
2番(いわゆる「10番」)は、細かいテンポのアゴーギグが、完全に音楽的呼吸と一致している。

ごく僅かな加速と減速。
揺らぐような弦の歌。
同じ旋律が繰り返されるときの楽器の出し入れの完璧なバランス。

これに匹敵するのは、水墨画のように枯れた味わいを持ちつつ、それでいて艶やかな(矛盾?いや違う!)セルとクリーヴランドのEMI盤くらいか。

そして最後を締めくくる7番の完全無双さ。
煽りに煽っても鋼のように乱れないアンサンブル。
それでいて非人間的な機械的さではなく、どこまでもどこまでも血潮が脈打つ。

いやー。
やっぱクーベリックのライヴには外れなしやわ。