出勤ミュージック~0812042008/12/04 17:21:02

*スメタナ:歌劇『売られた花嫁』序曲、ドヴォルザーク:交響曲第8番、ヤナーチェク:シンフォニエッタ(テンシュテット/LPO)

相変わらず出張中。
ただいま松山にいます。

さすがライヴのテンシュテット。
どの曲も凄まじいテンションと生命力。

スメタナは冒頭から発火したような音楽。
「一気呵成」という言葉がぴったり。
この曲にあるべき「愉しさ」には欠けるかもしれないけれど、それは他の演奏でいくらでも補うことができる。

ドヴォ8。
全曲を通じ、マーラー張りに濃厚に歌われるメロディー。
重心低く響きわたる金管(特にホルン)。
ただ、惜しむらくは緊張感が持続しない。
終楽章なんて、「もっとできるんちゃうのん!」という箇所がいくつもあって、少し歯がゆい。
テンションの高さを貫徹した、という点では先述のクーベリック盤に軍配が上がる。

お待ちかね(笑)のシンフォニエッタ。
ぶちかますかと思いきや、意外に密やか&丁寧に始まるファンファーレ。
ある意味あっけないくらい。

ところが、その解釈が最終楽章で生きる。
その丁寧さが熱せられ、次第次第にと押し上げられていく。
最後のTimp.のロールや、弦の旋回音型には戦慄すら感じる。
いやー高カロリーですわ。

ただ、それより特筆したいのは3楽章。
ここの縦横無尽なテンポ激変はすごい。
必死で食らいつくトロンボーンソロも立派だが、この楽章に「怒り」の様相さえ帯びさせたテンシュテットの解釈には敬意を表したい。

ただ燃え燃えしてるだけじゃない。
現代に生きる意味、不安みたいなものさえ透けて見える気がする。
深読みなのかもしれないけど、少なくともボクはこの楽章を聴いて、冷たい汗が流れた。

通勤ミュージック~0811112008/11/11 17:11:21

*ヤナーチェク:シンフォニエッタほか(セル/COほか)

早速聴いた。
山盛りの、他の未聴盤を差し置いて。(苦笑。

いかにもセルらしい、バランス重視の演奏。
「ファンファーレ」の悠然とした構え。
そこにあるのは、熱さよりもひんやりとした水晶の手触り。

マッケラスのようなそびえ立つ高揚感はないものの、例えば最終楽章の旋回音型が目に見えるかのようにクリアなのは鳥肌モノ(特にCl.とFl.)。

特筆すべきは、3楽章や5楽章冒頭のようにテンポの遅い部分で見せる、沈み込む空気。
涙を見せることなく、高貴な憂いの色が音に漂う。
同じコンビによる「ハーリ・ヤーノシュ」の“間奏曲”で聞こえるモノと全く一緒。

結果的にはやっぱり、マッケラス盤を「超す」ことはなかったけど、これも大事な1枚になった。

併録曲。
「タラス・ブーリバ」はA.デイヴィス/トロント響。
マッケラスとはずいぶん違う印象。
良い意味で真っ正直、素直。

更にオーマンディ/Pho.によるコダーイが2曲。
「マロシュセーク舞曲」と「ガランタ舞曲」。
ドラティの全集聴く前にこっちで初体験してしまった。(苦笑
さすがオーマンディ、分かりやすく曲をかみ砕いて提示してくれた。

自分でも何となく分かっていたのだが、ボクはロシア系はもちろんなんだけど、東欧系も相当好きだな。(苦笑
ヤナーチェクやコダーイも、カテゴリに入れるべきなのか?

通勤ミュージック~0811072008/11/07 16:50:47

*ヤナーチェク:シンフォニエッタ、タラス・ブーリバ(マッケラス/VPO)

「シンフォニエッタ」はブラスっ子にとっては痺れる名曲。
これまで何度も、演奏を聴いたり映像で見たりしてきたのに、なぜか自分で音盤を持っていなかった。

というわけで、この曲の代表的名盤として誉れ高い、ヤナーチェクのスペシャリストのマッケラス盤を少し前に中古で購入。
それを今日ようやく聴いた。

……。
……。
……。


何 と い う 存 在 感 ! !
力 業 皆 無 な の に 、 屹 立 す る 音 像 ! !


10年早く聴くべきだったと激しく後悔。
でも、今ここで出会えたことに激しく感謝。

もっとシンフォニエッタの音盤集めよう、という気にさせられた。
気になってるのはアバド、クーベリック、セルあたり。
ただ何となく予感として、この後どれを聴いてもこのマッケラス盤がデファクトスタンダードとして揺らがない……そんな気がする。

そう言う音盤はいくつかあって、自分の中ではセルの「ハーリ・ヤーノシュ」、アンセルメの「四季(グラズノフのバレエ)」、レニーの「フランチェスカ・ダ・リミニ」なんかがそう。
他にどんないい音盤を聴いても、結局そういった自分の中での基準となる盤の価値を再確認することにしかならない。
誤解を恐れず言えば、「ベストワン」をそうたらしめる、彩りにしかならない。(うわっ暴言。

追記。
「タラス・ブーリバ」の方は「シンフォニエッタ」より、モラヴィアの香りがする演奏。
というか、「シンフォニエッタ」がそういったローカリズムを超えきった高みにある演奏だから、そう感じてしまうのかもしれない。

ちょっと調べたら、最近この盤再発されて、カップリングが増えてた。orz
……ま、いつか買い替えるかな。(苦笑。