ディスクアリスたん。2010/09/21 20:21:05

*チャイコフスキー、リスト:ピアノ協奏曲第1番、リスト:コンソレーション第3番(アリス=紗良・オット、ヘンゲルブロック/ミュンヘン・フィル)

順序が逆転したけど、ディスクの感想をば。
チャイコにリストのコンチェルト、んでもって女性とくれば、どうしたってアルゲリッチのことを考えないわけにはいかない。
アルゲリッチの両曲はもちろん名演だし、個人的には大・大好きなタイプ(分かるでしょうが)。

もちろん、アリスたんとアルゲリッチを比べてもしょうがない。
燃え上がるような情熱、というよりその楽曲の持つ性格や意義、みたいなものをしっかり咀嚼してから演奏に臨んでいる、そんな印象を受ける。
かといって頭でっかちの学究肌というのとはもちろん違う。

あまり「女性だから」てな決め付けは嫌だけど、やはりフェミニンな香り、そう、匂いたつようなリリシズムを強く感じる。
それはすごく良いことだと思う。

チャイコフスキーのコンチェルトとしては、正直「合格点」くらいの出来かな、とは思う(オケも含めて)。
あまたの名盤が綺羅星のようにあるこの曲で、新しく特筆すべき何かがあるか、と言われると正直厳しいかも。
気高き山に挑もうとする真っ直ぐな姿勢は眩しく美しいが、それは当然といえば当然のことなのだし。
しかしアリスたんの21歳という瞬間を切り取ったこの音盤は、もし彼女が再録する時が来るとしたら、きっと「比較の喜び」を我々に与えてくれる。

むしろリストのコンチェルトの方が演奏としては良いかも。
というか、アリスたんにはリストの方が彼女の持つ旨味や美点を生かせる気がする。
一歩間違えると曲芸飛行みたいになるこの曲が、こんなに瑞々しく響いたことがあったか?
まあでも、リストの3楽章はやっぱテンション上がる!(苦笑

個人的にはシューマンのコンチェルトがいつか聴きたい。
あとウェーバーのコンチェルトシュトックも合う気がする。
グラモフォンさんよろしくね。(笑