通勤ミュージック~090503 ― 2009/05/03 23:44:02
*シベリウス:交響曲第1番、「カレリア」組曲(カラヤン/BPO)
カラヤンのシベリウス演奏は、作曲者自身が評価していたとのことだけど、いわゆる「寒色・北欧系」(?)の解釈とは一線を画しているのは明らか。
交響曲全集をとりあえず(苦笑)作るのがお得意のカラヤンだけど、なぜか3番の録音がないのが謎。
個人的には、カラヤンのシベリウスって嫌いではない。
後半の「難解」な曲(4~7番)の「マイ初演」がDGの録音で、特に4番や6番といった謎めいた曲を、ひんやりとした手触りをそのままの形で音にしたような彼の音盤で初体験できたことが「食わず嫌い」にならずに済んだ理由だ、と感謝しているから。
4~7番はEMIでもBPOと録音しているらしいので、いつかは聴いてもいいかな。
メジャーどころではやはり2番、ということになるのだろうけど、これはPO・BPOの音盤共に所有。
若々しい覇気のある前者、大柄な中、カラヤン美学に満ちあふれた後者とも、それなりに面白い。
翻って当音盤。
両曲とも唯一の録音らしい。
その意味ではカラヤンの中で「落ち穂拾い」的意図があったのだろうか?
なぜそんな事を思ったかというと、正直に言ってしまえば、シベリウスの音盤としても、「カラヤンのシベリウス」としても若干物足りないので。
まずは交響曲。
1楽章の劇性は期待通りで、Vn.やFl.のソロにもひっそりとした佇まいよりクールな目線が配されているのが「いかにも」なんだけど、それが全体を通してやり切っている感じにならない。
主部なんて、もっとドラマティックにやっていいのではないか。
2楽章も何だかよく分からないうちにフニャフニャ終わってしまう。
スケルツォも当然土俗性は一切なし。
かといって、BPOの威力を発揮するでもなく、淡々としている。
大泣きしない、フィナーレ冒頭の沈み込んだ感じはハッとさせられる。
ここは悪くない。
しかし、主部に入ると、意外にあっさり。
もっと曲とオケを自在にドライヴする感じなのかと思っていただけに拍子抜け。
コーダの壮大な幕切れは、ピッチカートに重い余韻があっていいけれど、何だかそれまでの表情とは解離しているようにも感じる。
うーん。
うまく言えないけど、「もっとカラヤンらしくてもいいのに!」と(珍しく)歯がゆく感じる音盤、とでも書けば伝わるだろうか。
「カレリア組曲」、この曲大好きなのだけど、これまた肩すかし。
もちろんカラヤンだから、鄙びた感じがないのは承知の上だけど、それにしてもアクが無さ過ぎる。
なだらかにしようと意識しすぎなのだろうか?
もちろん所々でキラキラとしたゴージャスさがかいま見えるのだけど、それがやや腰の重さにつながっている気もするし……。
それならそれで、ドイツの舞曲のように渋い肌触りに仕上げることも出来ただろうに、そこまでのごつさはない。
両曲ともに、残念ながらちょっと消化不良な感じ……。
ただ、これってもしかしたら音盤(ソフト)自体に問題があるのかもしれない。
何だか妙にダイナミックレンジが広すぎる録音で、交響曲の1楽章(弦の刻み)やカレリアの冒頭なんて、相当音を大きくしないと聞こえないほどやせた感じ。
かといって音量を大きくしたままだと、fのところでもの凄い圧迫感。
入手したのは国内盤の中古なんだけど。別盤で聴き直すと、印象変わるかも?
カラヤンのシベリウス演奏は、作曲者自身が評価していたとのことだけど、いわゆる「寒色・北欧系」(?)の解釈とは一線を画しているのは明らか。
交響曲全集をとりあえず(苦笑)作るのがお得意のカラヤンだけど、なぜか3番の録音がないのが謎。
個人的には、カラヤンのシベリウスって嫌いではない。
後半の「難解」な曲(4~7番)の「マイ初演」がDGの録音で、特に4番や6番といった謎めいた曲を、ひんやりとした手触りをそのままの形で音にしたような彼の音盤で初体験できたことが「食わず嫌い」にならずに済んだ理由だ、と感謝しているから。
4~7番はEMIでもBPOと録音しているらしいので、いつかは聴いてもいいかな。
メジャーどころではやはり2番、ということになるのだろうけど、これはPO・BPOの音盤共に所有。
若々しい覇気のある前者、大柄な中、カラヤン美学に満ちあふれた後者とも、それなりに面白い。
翻って当音盤。
両曲とも唯一の録音らしい。
その意味ではカラヤンの中で「落ち穂拾い」的意図があったのだろうか?
なぜそんな事を思ったかというと、正直に言ってしまえば、シベリウスの音盤としても、「カラヤンのシベリウス」としても若干物足りないので。
まずは交響曲。
1楽章の劇性は期待通りで、Vn.やFl.のソロにもひっそりとした佇まいよりクールな目線が配されているのが「いかにも」なんだけど、それが全体を通してやり切っている感じにならない。
主部なんて、もっとドラマティックにやっていいのではないか。
2楽章も何だかよく分からないうちにフニャフニャ終わってしまう。
スケルツォも当然土俗性は一切なし。
かといって、BPOの威力を発揮するでもなく、淡々としている。
大泣きしない、フィナーレ冒頭の沈み込んだ感じはハッとさせられる。
ここは悪くない。
しかし、主部に入ると、意外にあっさり。
もっと曲とオケを自在にドライヴする感じなのかと思っていただけに拍子抜け。
コーダの壮大な幕切れは、ピッチカートに重い余韻があっていいけれど、何だかそれまでの表情とは解離しているようにも感じる。
うーん。
うまく言えないけど、「もっとカラヤンらしくてもいいのに!」と(珍しく)歯がゆく感じる音盤、とでも書けば伝わるだろうか。
「カレリア組曲」、この曲大好きなのだけど、これまた肩すかし。
もちろんカラヤンだから、鄙びた感じがないのは承知の上だけど、それにしてもアクが無さ過ぎる。
なだらかにしようと意識しすぎなのだろうか?
もちろん所々でキラキラとしたゴージャスさがかいま見えるのだけど、それがやや腰の重さにつながっている気もするし……。
それならそれで、ドイツの舞曲のように渋い肌触りに仕上げることも出来ただろうに、そこまでのごつさはない。
両曲ともに、残念ながらちょっと消化不良な感じ……。
ただ、これってもしかしたら音盤(ソフト)自体に問題があるのかもしれない。
何だか妙にダイナミックレンジが広すぎる録音で、交響曲の1楽章(弦の刻み)やカレリアの冒頭なんて、相当音を大きくしないと聞こえないほどやせた感じ。
かといって音量を大きくしたままだと、fのところでもの凄い圧迫感。
入手したのは国内盤の中古なんだけど。別盤で聴き直すと、印象変わるかも?
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://unfinishedmelody.asablo.jp/blog/2009/05/03/4288225/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。