通勤ミュージック~091202 ― 2009/12/02 22:18:23
*チャイコフスキー:バレエ「くるみ割り人形」抜粋、幻想序曲「ロミオとジュリエット」(オーマンディ/Pho)
言ったことはすぐやる。(笑
聴く前から各所のレビューなんか見てたせいで、異常に期待値上がっていた音盤。
それゆえ、その思いが満たされなかったらどうしようなんて不安に思っていたくらい。
……無駄な心配だった!!
ゆっくりと慈しむように始められる“小序曲”。
丁寧に丁寧に紡がれていく。
と、思いきや“行進曲”では一転、快速で(Fl.のパッセージがこけそうなくらい)突き進む。
クリスマスを迎えて弾む子供の気持ち。
我慢なんて出来るワケないのだ!
Cl.のオブリガートがきちんと聞こえてくるのが嬉しい。
そしてずっと期待していた“雪のワルツ”。
そりゃあ原曲の少年合唱は反則とも言えるくらいの美しさだけど、それを置き換えたTp.のまろやかさだって引けを取らない!
口に入れたら溶けてしまうチョコのような、それでいてベタつかないクリーミーさ。
後半で拍子が変わって、降りゆく雪の情景が厳しさを増しても、そのまろやかさに変化はない。
むしろ余計にいっそう、その音色の柔らかさが対比されて引き立つ。
何という耳のぜいたく!!
ディベルティスマンはいずれもグランドマナー。
組曲でおなじみの各曲だけでなく、“スペインの踊り”が追加されているのはTp.の名手ジョンソンを生かすためだろう。
雪のワルツとは一変、キラキラと輝く音色。
派手さはないものの、じっくりと仕上げられた“トレパーク”。
個人的には“中国の踊り”がマルカート気味なのが嬉しい。
ズルッとしたレガートをかける演奏が多いけど、好みではないのだ。
そして「花のワルツ」!!
これまた決して焦らず、腰を落ち着けて進めていくことで生まれる夢幻感。
噂に聞いていた、主旋律繰り返し時のオクターヴ上げ!!
文字だけで想像していると、演出感が強いというか、あざとさがあるのでは?なんて懸念もあったけど、とんでもない。
ゴージャスでキラキラとしていながら、えぐみの全くない、胸弾むそのメロディー。
ある意味手垢の付いたこの曲に、新しい衣装をまとわせたかのような発見。
ハープのカデンツァにもちょっぴり隠し味のように装飾が加えられ、この上もなく粋な味わい。
“パ・ド・ドゥ”からフィナーレにかけては、フィラ管のサウンドに身を任せているだけで幸せ。
“金平糖の踊り”の最後で少しまくるチェレスタのキラキラ感。
すべての楽器が芳醇に鳴り響きながら、互いに有機的に分かちがたく結びつく。
「くるみ割り人形」というと、端正かつダンディなカラヤンや、パリッと明るい音色で各曲の描き分けが上手いスラトキン、ぱっと聴くと無骨なのに、その背後に秘められた遊び心が崇高にさえ転化するクナッパーツブッシュなど、良い演奏が目白押しなんだけど、このオーマンディ盤は、その中でも首座をうかがう勢いだわ。
いやー大満足。
“ロメジュリ”は、これまた大人の表現。
この曲を当事者(=主人公2人)の激情とドラマからとらえる解釈ではなく、語り手(=ローレンス神父)の立ち位置から見渡すかのような……とでも言えば分かりやすいだろうか(モントゥー盤も同種の名演)。
主部に入ってからもコクのある語り口のままで、決して煽らない。
個人的には確かにもっとドラマティックかつトロトロ(&ドロドロ)な演奏が好きだけど、それはまた別の話。
腰の据わったテンポを、全く鈍重に感じさせない技には、「上手いなぁ」とひたすら感心してしまう。
言ったことはすぐやる。(笑
聴く前から各所のレビューなんか見てたせいで、異常に期待値上がっていた音盤。
それゆえ、その思いが満たされなかったらどうしようなんて不安に思っていたくらい。
……無駄な心配だった!!
ゆっくりと慈しむように始められる“小序曲”。
丁寧に丁寧に紡がれていく。
と、思いきや“行進曲”では一転、快速で(Fl.のパッセージがこけそうなくらい)突き進む。
クリスマスを迎えて弾む子供の気持ち。
我慢なんて出来るワケないのだ!
Cl.のオブリガートがきちんと聞こえてくるのが嬉しい。
そしてずっと期待していた“雪のワルツ”。
そりゃあ原曲の少年合唱は反則とも言えるくらいの美しさだけど、それを置き換えたTp.のまろやかさだって引けを取らない!
口に入れたら溶けてしまうチョコのような、それでいてベタつかないクリーミーさ。
後半で拍子が変わって、降りゆく雪の情景が厳しさを増しても、そのまろやかさに変化はない。
むしろ余計にいっそう、その音色の柔らかさが対比されて引き立つ。
何という耳のぜいたく!!
ディベルティスマンはいずれもグランドマナー。
組曲でおなじみの各曲だけでなく、“スペインの踊り”が追加されているのはTp.の名手ジョンソンを生かすためだろう。
雪のワルツとは一変、キラキラと輝く音色。
派手さはないものの、じっくりと仕上げられた“トレパーク”。
個人的には“中国の踊り”がマルカート気味なのが嬉しい。
ズルッとしたレガートをかける演奏が多いけど、好みではないのだ。
そして「花のワルツ」!!
これまた決して焦らず、腰を落ち着けて進めていくことで生まれる夢幻感。
噂に聞いていた、主旋律繰り返し時のオクターヴ上げ!!
文字だけで想像していると、演出感が強いというか、あざとさがあるのでは?なんて懸念もあったけど、とんでもない。
ゴージャスでキラキラとしていながら、えぐみの全くない、胸弾むそのメロディー。
ある意味手垢の付いたこの曲に、新しい衣装をまとわせたかのような発見。
ハープのカデンツァにもちょっぴり隠し味のように装飾が加えられ、この上もなく粋な味わい。
“パ・ド・ドゥ”からフィナーレにかけては、フィラ管のサウンドに身を任せているだけで幸せ。
“金平糖の踊り”の最後で少しまくるチェレスタのキラキラ感。
すべての楽器が芳醇に鳴り響きながら、互いに有機的に分かちがたく結びつく。
「くるみ割り人形」というと、端正かつダンディなカラヤンや、パリッと明るい音色で各曲の描き分けが上手いスラトキン、ぱっと聴くと無骨なのに、その背後に秘められた遊び心が崇高にさえ転化するクナッパーツブッシュなど、良い演奏が目白押しなんだけど、このオーマンディ盤は、その中でも首座をうかがう勢いだわ。
いやー大満足。
“ロメジュリ”は、これまた大人の表現。
この曲を当事者(=主人公2人)の激情とドラマからとらえる解釈ではなく、語り手(=ローレンス神父)の立ち位置から見渡すかのような……とでも言えば分かりやすいだろうか(モントゥー盤も同種の名演)。
主部に入ってからもコクのある語り口のままで、決して煽らない。
個人的には確かにもっとドラマティックかつトロトロ(&ドロドロ)な演奏が好きだけど、それはまた別の話。
腰の据わったテンポを、全く鈍重に感じさせない技には、「上手いなぁ」とひたすら感心してしまう。
コメント
_ たつ ― 2009/12/04 15:14:24
_ みっふぃーまにあ ― 2009/12/04 16:29:23
to たつさん。
いつもありがとうございます。
>それも「あり」でいいでしょう。
まさしく仰るとおりです!
原典忠実主義の昨今では、大時代的なのかもしれませんが、最終的にはセンスの問題だと思うんですよね。
あとはやり切る強い意志(ストコなんかはこの典型ですよね)。
>いろいろ、やってくれますねー。
「冬の日の幻想」の終楽章でも派手に補強してましたからね。
でも、それらが全部フィットしていて文句なしです。
>バレエ音楽といえどもチャイコフスキーは、決して手を抜かないところが好きですよ。
結局「捨て曲」がないんですよね。
全曲を通して聴いていても全く飽きない。
>それにしても、ご多忙のようですが、感想をコメントいただき、ありがとうございます。待っていました。
とんでもありません!
こちらこそ、いつもコメント下さってとても励みになっています。
先に書いたように、余りため込まずにガンガン書いていこうという気持ちなので、頑張ります!(笑
いつもありがとうございます。
>それも「あり」でいいでしょう。
まさしく仰るとおりです!
原典忠実主義の昨今では、大時代的なのかもしれませんが、最終的にはセンスの問題だと思うんですよね。
あとはやり切る強い意志(ストコなんかはこの典型ですよね)。
>いろいろ、やってくれますねー。
「冬の日の幻想」の終楽章でも派手に補強してましたからね。
でも、それらが全部フィットしていて文句なしです。
>バレエ音楽といえどもチャイコフスキーは、決して手を抜かないところが好きですよ。
結局「捨て曲」がないんですよね。
全曲を通して聴いていても全く飽きない。
>それにしても、ご多忙のようですが、感想をコメントいただき、ありがとうございます。待っていました。
とんでもありません!
こちらこそ、いつもコメント下さってとても励みになっています。
先に書いたように、余りため込まずにガンガン書いていこうという気持ちなので、頑張ります!(笑
_ 親父りゅう ― 2009/12/06 15:54:12
いけませんなあ、このようなレビューを入院中に見せられては、家まで取りに行けんし・・・。
オーマンディの沼にどっぷりはまるのもよろしいものですな。
三大バレエはCBS盤共々繰り返し聴きたくなりますね。
ハイライトの収録時間がLP一枚分で程よいのもよろしいですね。
オーマンディの沼にどっぷりはまるのもよろしいものですな。
三大バレエはCBS盤共々繰り返し聴きたくなりますね。
ハイライトの収録時間がLP一枚分で程よいのもよろしいですね。
_ みっふぃーまにあ ― 2009/12/07 13:25:55
to おやじりゅうさん。
>いけませんなあ、このようなレビューを入院中に見せられては、家まで取りに行けんし・・・。
すいません。(汗
でも、早く聴きたい!という思いで快癒が早まられる効果の一助になれば……。(苦笑
>三大バレエはCBS盤共々繰り返し聴きたくなりますね。
>ハイライトの収録時間がLP一枚分で程よいのもよろしいですね。
おっしゃる通り、時間の「程よさ」は大きな魅力ですね。
そしてCBS&RCA盤両方あるのは「白鳥」だけなのですが、残り2つもCBS盤欲しくなってきました。(笑
>いけませんなあ、このようなレビューを入院中に見せられては、家まで取りに行けんし・・・。
すいません。(汗
でも、早く聴きたい!という思いで快癒が早まられる効果の一助になれば……。(苦笑
>三大バレエはCBS盤共々繰り返し聴きたくなりますね。
>ハイライトの収録時間がLP一枚分で程よいのもよろしいですね。
おっしゃる通り、時間の「程よさ」は大きな魅力ですね。
そしてCBS&RCA盤両方あるのは「白鳥」だけなのですが、残り2つもCBS盤欲しくなってきました。(笑
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雪のワルツの少年合唱はトランペットに置き換えですか。
何となく、そこしか無いだろうとは想像してましたが、音色の柔らかさが対比されて引き立つ.....。実際に聴いてみないと引き立つか判りませんが、それも「あり」でいいでしょう。
>「花のワルツ」では主旋律繰り返し時のオクターヴ上げ!!。
これも想像つきませんが、ハープのカデンツァに装飾が加えられて粋な味わいとのこと。いろいろ、やってくれますねー。
バレエ音楽といえどもチャイコフスキーは、決して手を抜かないところが好きですよ。
花のワルツの後の「アダージオ」なんか交響曲の一部にもって行ってもいいくらいに思ってますよ。この部分が一番素晴らしい!!。
それにしても、ご多忙のようですが、感想をコメントいただき、ありがとうございます。待っていました。