通勤ミュージック~0811042008/11/04 17:39:48

*ロンドン・チャイコフスキー全集第2巻:管弦楽曲集
Disc4:マンフレッド交響曲(アシュケナージ/PO)

連休中はカレンダー通り休みだったんだけど、家族サービス(専ら息子のお相手)で疲労困憊し、連日音楽聴く間もなく爆睡。
先日も書いたけど、まあそれはそれでいいのかな、と思う余裕が最近出てきた。

そんなわけで、通勤中にまたまた先日の続き。
いよいよ最後の1枚に突入。

正直あまり期待せずに聴き始めた。
ところが意外と良い演奏で嬉しい驚き。
アシュケナージだから、薄味でくどさのない仕上がりだけど、管楽器の強奏(それでもうるさくないのがやはり彼らしい)や素直な曲作りには一定の評価を与えたい。
初めてこの曲を聴く人にはもってこいじゃないかな。

そもそもこの曲って、もっと評価されるべきと言うのがボクの持論。
だからレニーに(そしてカラヤンにさえも)録音がないことが惜しまれる!
レニーはこの曲「クズ」扱いしてたらしいけど。(号泣

誠実なティルソン・トーマス、しなやかなシャイー、古いけどトスカニーニの触れれば切れるような快演(カットまみれだけど)。
ロストロは大家の風格……他にもまだ何枚か持ってるけど、今家じゃないから思い出せない。(苦笑

マゼールとマルケヴィッチは全集に入ってないので、1枚もの買わなくてはと思いつつまだ買ってない。
特にマゼールは期待大。全集があのテンションだもん。
そういやコバケン氏もこの曲よく取り上げてるな。

アシュケナージ~中庸の人。2008/11/05 17:14:16

引き続きアシュケナージのマンフレッド交響曲。
あくまで想像だけど、彼は「とにかくこの曲を知らしめたい」という気持ちで演奏している気がする(N響とのラストコンサートでも演奏してるし)。
それゆえの「自己表現を控えた」解釈だとすれば、それはそれで納得がいく。

ボクが好きなのは、やはり「曲で自分を表現する」演奏家。
でも「ただ、その曲をあるがままに伝える」(=自分を消す?)解釈に一目置くことだってある。
今回のマンフレッド交響曲がまさにそれ。

というか、それってアシュケナージの大半の演奏に当てはまる。
シベリウスならまだしも、ラフマニノフの交響曲でも、強引なアゴーギクやギラギラしたデュナーミクはほとんどない。
音盤は持ってないけど、R.シュトラウスでさえ(!)そうだった記憶がある。
ラフマニノフの2番なんか、もっとこってり&ねっとりの演奏が好みだけど、真水のような美しさを見せるアシュケナージ盤も実はそんなに嫌いじゃない(むしろ、もっと激すると思っていたゲルギエフが肩すかしだったことの方が物足りなくて不満大きい)。

ピアニストとしての彼もほぼ同様だけど、こちらはその中庸っぷりが行き過ぎて、嫌になることが多い。
例えばベートーヴェンのソナタ、「何がしたいのか」がちっとも伝わって来ない。
チャイコフスキーのピアノトリオに至っては、それどころか雑にさえ感じられる出来映え。
悲しくなった。

ところが、これまで書いたことを全部ひっくり返す、突然変異的な音盤がある。
ショパンのピアノソナタ2番(若いときの方)。
青白い炎が立つような凄演で、アルゲリッチでさえも及ばない。
この時のアシュケナージの精神状態、何かあったんだろうか?
今のところこの曲では、一番お気に入りの音盤。

追記。
彼はブルックナーのことを
「作曲法もアマチュア的だし、転調も子供っぽい。同じことだけを長くながく繰り返し、想像力を使わずに、だらだらと書き続けます。聴いていてハッと立ち止まって感激するようなことが一切ないのです」
てインタビューで言っていたが、それはさすがにまずいと思うぞ。

通勤ミュージック~0811072008/11/07 16:50:47

*ヤナーチェク:シンフォニエッタ、タラス・ブーリバ(マッケラス/VPO)

「シンフォニエッタ」はブラスっ子にとっては痺れる名曲。
これまで何度も、演奏を聴いたり映像で見たりしてきたのに、なぜか自分で音盤を持っていなかった。

というわけで、この曲の代表的名盤として誉れ高い、ヤナーチェクのスペシャリストのマッケラス盤を少し前に中古で購入。
それを今日ようやく聴いた。

……。
……。
……。


何 と い う 存 在 感 ! !
力 業 皆 無 な の に 、 屹 立 す る 音 像 ! !


10年早く聴くべきだったと激しく後悔。
でも、今ここで出会えたことに激しく感謝。

もっとシンフォニエッタの音盤集めよう、という気にさせられた。
気になってるのはアバド、クーベリック、セルあたり。
ただ何となく予感として、この後どれを聴いてもこのマッケラス盤がデファクトスタンダードとして揺らがない……そんな気がする。

そう言う音盤はいくつかあって、自分の中ではセルの「ハーリ・ヤーノシュ」、アンセルメの「四季(グラズノフのバレエ)」、レニーの「フランチェスカ・ダ・リミニ」なんかがそう。
他にどんないい音盤を聴いても、結局そういった自分の中での基準となる盤の価値を再確認することにしかならない。
誤解を恐れず言えば、「ベストワン」をそうたらしめる、彩りにしかならない。(うわっ暴言。

追記。
「タラス・ブーリバ」の方は「シンフォニエッタ」より、モラヴィアの香りがする演奏。
というか、「シンフォニエッタ」がそういったローカリズムを超えきった高みにある演奏だから、そう感じてしまうのかもしれない。

ちょっと調べたら、最近この盤再発されて、カップリングが増えてた。orz
……ま、いつか買い替えるかな。(苦笑。

狩猟日記~0811072008/11/07 19:29:06

「シンフォニエッタ」捕獲のため早速帰宅時、梅田東通りの某中古店へ。
テンシュテットのライヴ盤しかなく、とりあえず保留。

*レスピーギ:シバの女王ベルキス、変容(サイモン/PO)
*チャイコフスキー:1812年ほか(ドラティ/ミネアポリス響ほか)

狩りの成果は割と控えめ(笑)の以上2枚。
「ベルキス」はオケ界ではマイナーなのに、吹奏楽界ではメジャーという不思議な曲。
今でこそアシュケナージや大植盤などが出てきたが、長らくこのサイモン盤しか音源なかった。

ドラティのチャイコフスキーは先日書いた、マーキュリー原盤の方。こちらの方が旧盤にあたる。
1812年が世評を裏切らない演奏か? ドキドキ。
イタリア奇想曲やスラヴ行進曲の比較も楽しみ。

追記。
テンシュテットのライヴ盤、あちこち見ると結構評判いいやん。
素直に買っとけば良かった……。orz
週明けに再捕獲だ。

狩猟日記~0811082008/11/08 16:17:37

*カーペンター:交響詩「海流」、ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ほか(バーンスタイン/NYPほか)

前から気になっていたSYMPOSIUM盤、アマゾンから到着。
前述した「century」買い直しなども数点来たけど、新規購入ではないので書かない。

ショスタコーヴィチは59年盤よりテンポ速くて荒削りとの評判なので、すごく楽しみ。
音質はモノなので59年盤の評価を超えないだろうけど。(微笑

いずれにせよ、レニーのスタイルに慣れると、「4楽章冒頭を譜面通りに演奏されると遅く感じてしまう症候群」(長いよ)になってしまうのだ。(爆