通勤ミュージック~081211 ― 2008/12/11 17:21:37

*ブラームス:交響曲全集(カラヤン/BPO)
1983年8月27日(第2番、第4番)28日(第3番、第1番)、ザルツブルク音楽祭のライヴ(Memories盤)。
コンサートメインのツアーならいざ知らず、音楽祭のタイトなスケジュールの中でこのツィクルスを、それを一定以上の水準でやってしまうこのコンビにまず驚き。
カラヤンはどちらかと言えば好きな指揮者ではないが(皆さん知ってるって?)、中学・高校の頃みたいに「毛嫌い」ていうことはなくなった。
そもそも、棚見れば絶対相当数彼のディスクあるんだし……。(苦笑
年を経て、演奏そのものに対して客体視できるようになったのもあるし、楽曲によってはすごいベストマッチング(=R.シュトラウスが典型)を示すのを認めないとやっぱり損。
特に、野心溢れる50~60年代の録音は結構好きなもの多い(スッペ序曲集なんて、メチャクチャ格好いい!!)。
さらに「本気出したカラヤン」の凄さ、てのがある。
その筆頭が「新ウィーン楽派管弦楽曲集」で、もうこれは文句の付けようがないというか、「完璧」という言葉はこの盤のためにあるのか、と悔しいけど(苦笑)認めざるを得ない。
あと、それとは違う意味で近年聴くことが出来るようになったライヴの数々。
ガチになったら、カラヤンもダンディズムを脱ぎ捨てるんやん、てのが分かって(考えれば当たり前のことなんだけど)、そのギャップ故に引きつけられるようになった、てのもある。
前置きが長くなった。
その意味でこのMemories盤には期待していたのだが……。
結果からいうと「それほどでもなかった」というのが正直なところ。
残念ながら、カラヤンの同種正規音盤は晩年のデジタル盤(録音はこのライヴの数年後)しか持っていないけど、そっちの方が総合点では上かな。
とは言え、所々に魅力的なところはある。
例えば、全4曲ともフォーカスを終楽章に置いている作りで、どれも3楽章からアタッカで突入するのが特徴的。
1番ならよくやるけど、4番はちょっと珍しいと思う。
それ故に、ここはハッと胸を突かれるような衝撃があって新鮮。
2番の終楽章も、「超アクセル全開!」とかではないけれど、肩で風切る、いかにもカラヤン的快速さ(アウトバーン的?苦笑)が作り物でなく心からの愉悦としてキビキビ伝わって来るのはホントに素敵。
ホルンの強奏も立体的で◎。
3番は他の3曲に比べて音が少し悪い気がするけど(冒頭も音割れしている)、何かに追われているかのような切迫感のある1楽章なんて、カラヤンぽくなくて逆に面白い。
対照的に、味の濃さこそないけれど一抹の寂しささえ香り立つ3楽章の音作りは「いかにもカラヤンだなー」と率直にその美を堪能できる(体臭ムンムンと歌いこむレニーとの落差!)。
惜しむらくは1番。
もちろんこのコンビだから、平均点はクリアしてるけれど……。
もっと絢爛豪華にやるか、あるいはひたすら合奏力と馬力で攻めるか。
正直「流してやってねぇか?」なんて思ってしまう。
これは断然、87年スタジオ盤がいいなあ。
1983年8月27日(第2番、第4番)28日(第3番、第1番)、ザルツブルク音楽祭のライヴ(Memories盤)。
コンサートメインのツアーならいざ知らず、音楽祭のタイトなスケジュールの中でこのツィクルスを、それを一定以上の水準でやってしまうこのコンビにまず驚き。
カラヤンはどちらかと言えば好きな指揮者ではないが(皆さん知ってるって?)、中学・高校の頃みたいに「毛嫌い」ていうことはなくなった。
そもそも、棚見れば絶対相当数彼のディスクあるんだし……。(苦笑
年を経て、演奏そのものに対して客体視できるようになったのもあるし、楽曲によってはすごいベストマッチング(=R.シュトラウスが典型)を示すのを認めないとやっぱり損。
特に、野心溢れる50~60年代の録音は結構好きなもの多い(スッペ序曲集なんて、メチャクチャ格好いい!!)。
さらに「本気出したカラヤン」の凄さ、てのがある。
その筆頭が「新ウィーン楽派管弦楽曲集」で、もうこれは文句の付けようがないというか、「完璧」という言葉はこの盤のためにあるのか、と悔しいけど(苦笑)認めざるを得ない。
あと、それとは違う意味で近年聴くことが出来るようになったライヴの数々。
ガチになったら、カラヤンもダンディズムを脱ぎ捨てるんやん、てのが分かって(考えれば当たり前のことなんだけど)、そのギャップ故に引きつけられるようになった、てのもある。
前置きが長くなった。
その意味でこのMemories盤には期待していたのだが……。
結果からいうと「それほどでもなかった」というのが正直なところ。
残念ながら、カラヤンの同種正規音盤は晩年のデジタル盤(録音はこのライヴの数年後)しか持っていないけど、そっちの方が総合点では上かな。
とは言え、所々に魅力的なところはある。
例えば、全4曲ともフォーカスを終楽章に置いている作りで、どれも3楽章からアタッカで突入するのが特徴的。
1番ならよくやるけど、4番はちょっと珍しいと思う。
それ故に、ここはハッと胸を突かれるような衝撃があって新鮮。
2番の終楽章も、「超アクセル全開!」とかではないけれど、肩で風切る、いかにもカラヤン的快速さ(アウトバーン的?苦笑)が作り物でなく心からの愉悦としてキビキビ伝わって来るのはホントに素敵。
ホルンの強奏も立体的で◎。
3番は他の3曲に比べて音が少し悪い気がするけど(冒頭も音割れしている)、何かに追われているかのような切迫感のある1楽章なんて、カラヤンぽくなくて逆に面白い。
対照的に、味の濃さこそないけれど一抹の寂しささえ香り立つ3楽章の音作りは「いかにもカラヤンだなー」と率直にその美を堪能できる(体臭ムンムンと歌いこむレニーとの落差!)。
惜しむらくは1番。
もちろんこのコンビだから、平均点はクリアしてるけれど……。
もっと絢爛豪華にやるか、あるいはひたすら合奏力と馬力で攻めるか。
正直「流してやってねぇか?」なんて思ってしまう。
これは断然、87年スタジオ盤がいいなあ。
コメント
_ 親父りゅう ― 2008/12/11 20:55:42
_ ケンデ梨 ― 2008/12/12 23:13:52
今年は漏れもかなりの量のライヴのカラヤン聴いたと思います。
スタジオ録音の壮麗なあのカラヤンだよねって耳を疑ってしまいます(笑
昔の恐ろしいドイツの音がしますわ(汗
スタジオ録音の壮麗なあのカラヤンだよねって耳を疑ってしまいます(笑
昔の恐ろしいドイツの音がしますわ(汗
_ みっふぃーまにあ ― 2008/12/13 00:57:29
to 親父りゅうさん。
>どこか「ダサくて」イメージ・ダウンの音響が多かった印象があります。
あー、確かにそういう面もなくはないですねー。(苦笑
ただボクなんかは、あのダンディズムに鼻白む(苦笑)事も多いので、それはそれで人間臭くて好感持てるのですが。
>時々、えらく恐ろしい攻撃的とも言える演奏もありました(私は「アナーキー」と言っておりますが・・・)。
アナーキー! うまい表現ですねぇ。
使わしてもらおうかな。(笑
>メモリーズのベトベン全集
うっ。いまいちですか。(汗
まだボク聴いてないんですけど、じゃあ「第9」楽しみに聴きます。
……カラヤンの第9ライヴというと、フィルハーモニーザールの柿落とし公演が良かった印象があります(「M TAKT DER ZEIT」のシリーズ)。
to ケンデ梨氏。
>今年は漏れもかなりの量のライヴのカラヤン聴いたと思います。
そりゃあ今年はねー。(笑
購入はしてなくても、僕もずいぶん店頭で視聴しましたよ。
最後の来日シリーズなんか、なんだかんだでほとんど全部聴いちゃった。(汗
>昔の恐ろしいドイツの音がしますわ(汗
これまたうまい表現だわー。
確かにある意味、ベルリンフィルがホントの意味で「ベルリン」フィルだったのは彼の指揮していたときが最後だったのかもしれないですな。
それがいいことなのか悪いことなのかはさておき。
>どこか「ダサくて」イメージ・ダウンの音響が多かった印象があります。
あー、確かにそういう面もなくはないですねー。(苦笑
ただボクなんかは、あのダンディズムに鼻白む(苦笑)事も多いので、それはそれで人間臭くて好感持てるのですが。
>時々、えらく恐ろしい攻撃的とも言える演奏もありました(私は「アナーキー」と言っておりますが・・・)。
アナーキー! うまい表現ですねぇ。
使わしてもらおうかな。(笑
>メモリーズのベトベン全集
うっ。いまいちですか。(汗
まだボク聴いてないんですけど、じゃあ「第9」楽しみに聴きます。
……カラヤンの第9ライヴというと、フィルハーモニーザールの柿落とし公演が良かった印象があります(「M TAKT DER ZEIT」のシリーズ)。
to ケンデ梨氏。
>今年は漏れもかなりの量のライヴのカラヤン聴いたと思います。
そりゃあ今年はねー。(笑
購入はしてなくても、僕もずいぶん店頭で視聴しましたよ。
最後の来日シリーズなんか、なんだかんだでほとんど全部聴いちゃった。(汗
>昔の恐ろしいドイツの音がしますわ(汗
これまたうまい表現だわー。
確かにある意味、ベルリンフィルがホントの意味で「ベルリン」フィルだったのは彼の指揮していたときが最後だったのかもしれないですな。
それがいいことなのか悪いことなのかはさておき。
_ ひろっぴぃ~ ― 2008/12/13 23:06:38
>カラヤンはどちらかと言えば好きな指揮者ではないが(皆さん知ってるって?)
知ってまんがな!(爆)
でも私、そのメモリーズの、聴いたことないですわ(^_^;)
そんなに凄いっすかぁ????(・・?)
>新ウィーン楽派管弦楽曲集
名盤中の名盤ですね!
浄夜後半のすんげぇエロエロしている所のイヤラシさは格別ですw
これ以上卑猥な演奏な無いのでは?(爆)
あと、ヴェーベルン「パッサカリア」は、この演奏が頭に焼き付いて剥がれませんwww
>カラヤンもダンディズムを脱ぎ捨てるんやん、てのが分かって
私はカラヤン大好き人間ですが(ハイハイw知ってるって?)、
この歳になって逆に映像による交響曲全集なんかは「自分のPV的要素大だよなぁ」と
冷静に見るようになったりしたり、昔の人がカラヤン批判している理由が分かったりもします(^_^;)
私はカラヤンのブラームス交響曲全集だったら、断然1963年のっすね。
特にブラ1はこの盤で私は育ちましたし、この演奏が一番美しい演奏だと思います。
あまりにも美しすぎて、冷たく感じたりもしますが。
次の1977年版は手元にあるものの(Karanaj Symphony Edition)、
DISC量が多いので、まだ聴いてません(^_^;)
知ってまんがな!(爆)
でも私、そのメモリーズの、聴いたことないですわ(^_^;)
そんなに凄いっすかぁ????(・・?)
>新ウィーン楽派管弦楽曲集
名盤中の名盤ですね!
浄夜後半のすんげぇエロエロしている所のイヤラシさは格別ですw
これ以上卑猥な演奏な無いのでは?(爆)
あと、ヴェーベルン「パッサカリア」は、この演奏が頭に焼き付いて剥がれませんwww
>カラヤンもダンディズムを脱ぎ捨てるんやん、てのが分かって
私はカラヤン大好き人間ですが(ハイハイw知ってるって?)、
この歳になって逆に映像による交響曲全集なんかは「自分のPV的要素大だよなぁ」と
冷静に見るようになったりしたり、昔の人がカラヤン批判している理由が分かったりもします(^_^;)
私はカラヤンのブラームス交響曲全集だったら、断然1963年のっすね。
特にブラ1はこの盤で私は育ちましたし、この演奏が一番美しい演奏だと思います。
あまりにも美しすぎて、冷たく感じたりもしますが。
次の1977年版は手元にあるものの(Karanaj Symphony Edition)、
DISC量が多いので、まだ聴いてません(^_^;)
_ みっふぃーまにあ ― 2008/12/16 17:17:34
to ひろっぴぃ~さん。
またまた風邪悪化でレス遅れました。すいません。
>浄夜後半のすんげぇエロエロしている所のイヤラシさは格別ですw
これ以上卑猥な演奏な無いのでは?(爆)
でたなハァハァ親父。(笑
ラサールの演奏と対極なのに、どちらも素晴らしい。
まさに演奏解釈の醍醐味ですよね。
>この歳になって逆に映像による交響曲全集なんかは「自分のPV的要素大だよなぁ」と冷静に見るようになったりしたり、昔の人がカラヤン批判している理由が分かったりもします(^_^;)
まあ、ある意味分かりやす過ぎるほどの自己顕示だなぁとも言えるのですが。
……でもやっぱ、真っ白なピラミッドみたいなとこにオケ並んでるのって変だよなー。(笑
>私はカラヤンのブラームス交響曲全集だったら、断然1963年のっすね。
70年代のがいい!て人もいました。
理由聞くと、「一番カラヤン臭するから」だって。
分かるような分からんような……。(苦笑
ただ、ブラ1に関しては50年代のVPO盤を挙げる人も結構いるんですよねー。
同曲異演盤の多い彼ならではの議論ですな。(笑
70年代、聴いたら感想聞かせて下さい。
またまた風邪悪化でレス遅れました。すいません。
>浄夜後半のすんげぇエロエロしている所のイヤラシさは格別ですw
これ以上卑猥な演奏な無いのでは?(爆)
でたなハァハァ親父。(笑
ラサールの演奏と対極なのに、どちらも素晴らしい。
まさに演奏解釈の醍醐味ですよね。
>この歳になって逆に映像による交響曲全集なんかは「自分のPV的要素大だよなぁ」と冷静に見るようになったりしたり、昔の人がカラヤン批判している理由が分かったりもします(^_^;)
まあ、ある意味分かりやす過ぎるほどの自己顕示だなぁとも言えるのですが。
……でもやっぱ、真っ白なピラミッドみたいなとこにオケ並んでるのって変だよなー。(笑
>私はカラヤンのブラームス交響曲全集だったら、断然1963年のっすね。
70年代のがいい!て人もいました。
理由聞くと、「一番カラヤン臭するから」だって。
分かるような分からんような……。(苦笑
ただ、ブラ1に関しては50年代のVPO盤を挙げる人も結構いるんですよねー。
同曲異演盤の多い彼ならではの議論ですな。(笑
70年代、聴いたら感想聞かせて下さい。
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ただ、みっふぃーまにあさんの言われるとおり、時々、えらく恐ろしい攻撃的とも言える演奏もありました(私は「アナーキー」と言っておりますが・・・)。
76年、ザルツブルクでの「第9」とか、78年だったかのフィンランディアとか、ほとんど破壊的な爆演でした。
メモリーズのベトベン全集に、その「第9」が入ってますが、他の曲が「ふにゃけ」てたり、イマイチ不完全燃焼だったりで、売り飛ばしました。